息子よ、これが宮川。あの山の向こうは神宮でおじゃる。

肩の骨を折ったのは、こぞの春。幻の清流・小川にあいまみえることなく、時は流れてしまった。わが愛娘は受験勉強モードに突入。で、代わりに登場してくれ るのがわが息子。遊び相手を二人用意しておいて、まことに正解であった。さて、今回の骨折快気ツアーは、これまた清流の誉れ高き宮川。畏れ多くもかしこく も、伊勢神宮様の神域であらしゃいます。みなくれぐれも狼藉粗相のないように、こころされよ。

DATE天候区間
2008/5/3 神戸ー円座町河原
2008/5/4晴、一時雨田口大橋ー円座町河原
水質★★もう、かつての宮川ではないらしい。無念。
水量★★水量はどうなんだろ。なんとか腹を擦ることはなかったが。

ネクスコ西日本の渋滞情報によれば、「今年のゴールデンウィークは、分散傾向にあって、渋滞もたいしてないとの話。三日出発は中日にあたるため、ほ とんど渋滞無し。」って、ぬかしたんはどこの誰じゃぁ~。あほんだら。文責を示さんかい、この税金食い扶持野郎がぁ。(ああ、また汚い言葉を使ってしまっ た。教育上良くないなぁ、と思いながら…。ただ事実を噛み砕いて、子供にはちゃんと説明しているので全然反省はしていないのであるが。)それより、この大 渋滞を何とかせんかい。

世の中を甘く見たらアカンてゆーてるのに。正々堂々8時に名神に乗るなんて、アホとちゃうか。ほら、豊中から先、ずっと渋滞やんか。9時に大津SAは、無理ですなぁ。で携帯メールが鳴る。「草津SAにて待ち合わせ変更。幸運を祈る云々」

まあ、みなさん渋滞の中、同じような時間に到着しますでしょう。而して、昼過ぎ、メンバーは落ち合ったのであった。「いやー混んでましたなぁ、アハ ハハハ」、T氏はいつも笑顔を絶やさない。これは見習いたいものである。「でもあとは、大丈夫ですて。これから挽回できるんちゃいますか」、このオプティ ミズムもぜひ見習いたいと思っている。

ところが、第2名神に入ると、状況は一変した。車がいない。ドッカン、バーンと広い片道三車線道路に、車は数えるほど。世界の亀山モデルを送りだし ていると思われる道は、なんとも余裕のブロードバンド高速なのであった。あれよあれよと言う内に、伊勢道に入って、ここもスイスイ。三時には、当初スター ト地点だった野原橋に到着してしまった。あまりにも突然の宮川との遭遇となってしまったが、そこは地元の「なんとか藤まつり」のイベント会場となってお り、浴衣や屋台や風船だなんだかんだのオンパレード。さっさとセカンドポイントへ移動する。

次の橋は、田口大橋、上から眺めると、車の轍が残っている。どこからか河原への道があるはず、ちょっと橋から遠ざかるが、右岸側集落に入っていくと難無く道は見つかった。出発点決定。あとは、今日のテントを張る予定の宮リバー度会パークに行くだけとなった。

なんとなく順調すぎるなぁという感覚を抱きながら…。

で、やはりの結末。「なんじゃー、この飼いならされたキャンプ場は!!!!!。いわゆる車をアスファルト駐車場に残して、キャンプは土手の上の芝生 でのんびりと。川へは徒歩でわずか3分?」3分も待ってられるかい。川に降りるポイントは全部チェーンで閉鎖されている。そないな施設やったら最初から要 らん。好きに川に行かさせてくれい! たのむわ、ほんまに。

★★ここでワンポイント情報★★

そんなこんなで、野営地をどこにするかであるが、捜せばちゃんとある。宮リバーの下の橋・南伊勢大橋を右岸側にわたって、数百メートル行くと信 号があるが、そこを左折。しばしいくと何やら「城」と書かれた手作り板看板があらわれる。この辺に城という地名はないのでおかしいなぁと思いつつ、そこを 目指すと、円座町という集落があり、そのはずれのの民家の庭というか隣に、「なんと白鷺城があらわれる」。十坪ぐらいの敷地に精巧な姫路城のジオラマがで きているのである。「なな、なんだ」と虚をつかれつつ、川に向かっているたんぼの中の道を進んでいこう。突き当たりはブッシュ。川の方向に道は続いている が、鎖が行く手をはばんでいる。「こんなとこまで、鎖をかけやがって!!」と揺すっていると、ありゃ、鎖が地面にどさっと落ちた。なんと、ここの鎖は、両 脇に立つ棒にひっかけてあるだけ。降ろすも元に戻すも、なんのことはない。そして、そのブッシュをぬけると広大な河原が広がっているという塩梅だ。★

さぁ、あとは近くのスーパーや鮮魚店に買い出し、余裕のテント設営。薪も十分に集まった。きょうは、かなり順調ですなぁ。

やがてサイトに灯が点った。

焚火がついた。静かな夜だ。

水は少々少ない感じ。あまり瀬もなさそう。

明けて4日。田口大橋にざざざと車をのりつけ、艇をくみあげて、いざ川面へ。

うーむ、なんか清流の上にいる気がしないのは、わたしだけだろうか。浅い所で石が見えるのは当たり前。でも少し漕ぎ出すとたちまち川底が見えなくなってしまうぞ。パドルブレードも濁って見える。これはいただけない。おかしいなぁ。

荷物はないのでコックピットカバーなしで、出艇。足の日焼けが大変なことになるのをまだ私は気づいていない。

しかも、風は向い風。流れが弱いから漕ぐしかない。だから、息子よ、もうパドルはささなくてよろしい。カメラマンにでも徹してくれい。

で、そういうことで、被写体は橋だけになってしまったようだ。現像したフィルムにそれ以外のものは写っていなかった。

これが、中川大橋でございます。

中川橋を通り越してほどなく行った所にいい食事処があると聞く。川からちょうどその建物が見えるらしいのだが…。

あったあった。なるほど川からうってつけの所に存在している。

唯一、証拠写真を一枚とっておいた。うなぎ屋「膳」である。

11時半、ちょうどいい時間に、噂の鰻屋にて、昼食となった。

★★ここでワンポイント情報★★

「膳」。ここのウナギは、技あり一本である。とくに、しろ焼きが旨い。丼もいいけど、ここは騙されたと思って、しろ焼き。それだって1400円 ぐらい。とてもリーズナブルな価格。食感からすると、天然ではないが、旨味がのっていて美味である。ただ、とにかくロケーションが見つけにくい。川からは 見えるが、地上の道路からとなると、まず分からないのではないかしらん。しかも、凄い急カーブの下り坂の細い道。ところどころ車のこすった痕がある。わた しら四駆どもはいいけど、高級車はわたしは知りませんさかい自己責任で突入のこと。混んでまっさかい、時間には余裕を。

住所:三重県度会郡度会町長原1314
TEL:0596-64-0220
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)★

これが、鮠川橋でございます。

で、二時出発。ゆらーりゆらーり漕いでいくと、次にやってくるは、鮠川橋。何も異常なし。

これが、久具都比売橋、なんて読むんだろう

で、2時半、久具都比売橋。通過、やはり異常なし。

これが、内城田大橋でございます。

で、3時、内城田大橋。通過、やはり異常なし。

で、件の宮リバー度会パークの横を通過することになるのだが、ああやはりこういうことか。

というのは、ただよって来ますよバーベキューの肉のにおい。

右を向いても左を向いても、BBQコンロコンロの大合唱。極彩色のパラソルや簡易テントが濫立し、ビニルのシャチやら鮫やらがぷかりぷかりと浮いて いる。そうだなぁ、伊勢湾の海よりはこっちの方がきれいと言えばきれいだもんな。こんなことに、なるわけだ。カヌーとはちょっと宗旨が違うような施設であ る。場合によっては上陸して冷たいものをとも思っていたが、さっさと諦めて通り過ぎる。

これが、南伊勢大橋でございます。

南伊勢大橋を3時半に通過。あのいくての右岸の洲をまわりこんだら終着点。われらのキャンプサイトが待っている。

ちょっと早いけど、さっさと上陸して温泉でも行きますか。ということであっさり終了。

アスピア玉城というスパへと出かけるが、うっ、膝が太ももが湯を受け付けないのであった。

どうやら、宮川、数年前の台風か何かの折に、すっかり様相が変わってしまったらしい。噂ではあるが、上流ダムの水量が異常に増加しダム湖の大放水が あったらしいが、ヘドロやらなんやらかんやら、思いっきり放出したという。それ以来、川にたまったヘドロが浄化されずにとどまっているとのこと。なるほ ど、川をあるくと吹き上がってくる灰色の水はそういうことであったのか…。まことに無念である。

ただ、この水系のどこかには、その害を免れた穴場があるらしいが、それはまた捜すとしよう。そこでファルトが漕げるかどうかは、難しいところだが。

2008年5月3日


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